崖っぷち日本のユートピア社会学by大山昇悟

崖っぷちに立っている日本をどうしたらユートピア(理想郷)にできるか日々考え答えを探していくブログです

アルバイト体験記〜Mドーナツの厨房編

 

今回のアルバイト体験記は、高卒フリーター時代に働いた2番目のものです。

 

カップラーメンのカップを製造するバイトを辞めた後、高校時代の友人に誘われて、日本で一番有名なMドーナツでバイトを始めました。

 

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友人と二人で、隣町の駅前にあるMドーナツに面接に行ったのですが、友人は面接後に時間の都合が合わない為か、結局Mドーナツのバイトはしませんでした。

 

友人から梯子を外された形になったものの、一度決めたら性格的にやり切らないと気が済まない自分は、腹をくくりMドーナツで働くことにしました。

 

仕事の種類は、レジなどの店内担当か、厨房でドーナツを作るか好きな方を選ばせてもらえたのですが、お客さんにしっかりと対応できる自信がなく、裏方で黙々とやるのが好きだった自分は厨房を選びました。

 

時間は、かなり昔の事なので、うろ覚えなのですが、19:00〜7:00か、21:00〜7:00か、22:00〜7:00のどれかだったと思います。

 

時給は夜間であるにも関わらず、たしか780円くらいだったと思います。(半年後くらいに880円まで上がった)

 

当時、自分は高校卒業してある夢を追っていたので、週に3回のシフトしか入れていませんでした。

 

店の作りは、1階がお客さんが食べるスペースで、2階が事務所とドーナツを作る厨房でした。ちなみにドーナツは専用のエレベーターで上げ下ろししていました。

 

厨房自体は割と広くて、(そのかわりに更衣室が狭い)、ドーナツを揚げるフライヤーが一台、イースト菌を入れたあとに膨らます機械が1台、オーブン1台、生地を伸ばす作業台が2カ所、だったと思います。

 

当時は今みたいに情報が溢れている訳ではないので、まったく知らなかったのですが、Mドーナツはマクドナルドや、ケンタッキーと比べると一番調理が難しいらしいのです。(知っていたら選ばなかったでしょう)

 

一般的にドーナツのイメージは🍩←のような感じだと思いますが、実際にはイースト菌を使用するタイプと、そうでないタイプは調理の大変さの種類がまったく違うのです。

 

イースト菌を使用するタイプの生地は、棍棒みたいなので生地を伸ばす際に、弾力がかなりあって、その弾力がある生地の空気を抜くのが、凄い腕の力がいるのです。

 

対して、イースト菌を使用しないタイプの生地は、弾力性がほとんど無いために、棍棒で強く押したら押した分だけ凹んでしまいます。しかも凹みは元に戻りません。

 

そして、棍棒で引き伸ばす生地の厚さはミリ単位で決まっているので、「厚すぎず、薄すぎず」ベストの厚さに伸ばすのが凄い神経を使うので、別の意味で腕の力加減が要求されるのです。

 

そしてもう1種類の生地は、「パイ生地」です。これは割と調理が簡単でした。大体大まかに3種類の生地を使用して様々なバリエーションのドーナツを調理するのでした。

 

ところで、夜間の厨房は昼間とはまた違う意味で大変な面があったのです。

 

実は、夜間に作っているドーナツは、朝方に店を開けた時の為のものなのですが、その調理しなければいけないドーナツの種類は…

50種類!🍩もあるのです。

 

しかも、昼間とは違い、夜勤の作業者は基本的に1人!

 

朝までに1人で50種類のドーナツを調理❗️

 

実は自分がバイトを始める数年前までは、夜勤者は2人だったらしいのです。ところがある日、バイトの1人が何かで来れなかった時に、仕方なく1人で50種類のドーナツを調理してみたら、意外に1人でもこなせてしまったらしいのです。

 

以来、夜勤は1人減らされて、ワンオペになったとのことでした。そして当然のことながら、時給は変わらず!

 

で、話しを自分の方に戻します。

初日に更衣室でMドーナツの制服を着て、その上から調理用の足元まである長いエプロンを付けて、バイトの先輩から作り方を教わりました。

 

メモは取るものの、種類の多さと、作り方がそれぞれ少しずつ違う為に、メモ帳はすぐに書き殴ったようになりました。

 

そして、ほとんど見学に近いような初日が終わった直後のことです。

 

店長が「ドーナツの名前は全部覚えたか?」と聞いてきたのです。当然、初日で50種類全部覚えられる訳もないですし、むしろそれが当たり前だと思っていた自分は「えっ??」みたいな感じで目を真ん丸くして、「いえ、まだ全部は覚えられてません」的な返事をしました。

 

すると店長はやや怒り口調で、「1日仕事して、まだ全部覚えてないなんて!」「明日までに50種類全部覚えておけ!」

 

明らかに無理な店長の要求にも関わらず、やはり若かった自分はあまり疑問にも思わずに「仕事とはそういうものなのかもしれない」と捉えたのです。

 

そして、健気にもメモ帳に50種類全部のドーナツの絵を自筆で模写し、その下にドーナツの名前を書いたのでした。

 

家に帰ると一心不乱にメモ帳の上に目を走らせて、次の日までに50種類全部のドーナツの名前を暗記したのです。(この時はまだ10代なので、記憶力には自信がありました)

 

そして、夜間1人で50種類のドーナツが作れるようになったのは大体2〜3ヵ月くらいの期間を必要としました。

Mドーナツのバイトは約1年続けることになるのですが、キツかったこととしては…

 

同時並行で様々なドーナツを作るために、ひとつでもミスをすると他に影響してしまい、時間が押してくる点です。結構なプレッシャーがかかりました。

 

また、一階の店内担当のバイトは2人体制の夜勤なのですが、店内清掃はそれなりに手を抜ける為に、たしか0:00か1:00くらいには2階の休憩室に上がって来て、朝5:30くらいまで仮眠していたような気がします。

 

対して2階の厨房は手を抜けるところがほとんどない為に、他のバイトの人がのんびりと休んでいるのを横目で見て頑張らないといけない点がキツかったです。

 

良かった点としては、マルチタスクを身につけることができた点です。

 

そもそも2人体制だった調理を1人でこなさないといけないので、マルチタスクにならざるを得ないのですが、頭の中で数種類の時計を動かしながら作業ができるようになったことは、結構自信になりました。

 

あと、これはネットでも言われてることですが、卵を片手で割れるようになったことです。

 

大体一回の勤務で、100〜200個くらいは割ったような気がします。最初は両手で割っていたのですが、それでは時間がかかりすぎると指摘され、片手で割るように指導されました。

 

おかげで今現在でも卵は片手で割ることができます。

下の動画は今日試しに自分で卵を割ってみた動画です。↓

 


卵を片手で割ってみた

 

あと、本来はやってはいけないのでしょうが、自分が休憩する時用に、好きなドーナツを2個くらい作っておいて、お客さんが残していった漫画雑誌を読みながら食べるのが楽しみでした。もちろんジュースもタダで飲んでました。

 

全ての作業が終わって食べるドーナツは、美味しいことこの上なく、まさしく至福の時間でした。

 

あともう時効だと思うことをひとつカミングアウトすると…

 

ドーナツの名前は忘れましたが、丸っこいパンみたいなドーナツに、穴を開けて、カスタードやホイップクリーム、チョコレートなどが入っているドーナツがあるのです。

 

もちろん入れる量のグラムは決まっていたのですが、自分は「当たり」と称して2倍くらいの量を毎回1個作っていたのです。

 

当時は密かにほくそ笑んでいたのですが、つい最近ハタとあることに気づいたのです。

 

それは例えば友人2人でMドーナツに入り、同じドーナツを頼むとします。そこで1人が自分が作った当たりドーナツを買って店内で食べた場合、ずっしりと重いドーナツに不審を抱き、もう1人の友人のドーナツと明らかに重さが違うと気づいたとします。

 

そこでその人は「ラッキー」と思ってくれれば問題ないのですが、もう片方の1人が不公平感を抱き、店にクレームを入れることもあり得たのではないかと…。

 

最近そのことにようやく気づき(遅すぎ!)、やや冷や汗をかいたのでした。

 

それにしても当時の事を、今改めて振り返ってみると、自分は料理にまったく関心がなく、現在でも目玉焼きくらいしか作れません。

 

なのになぜ、そんな自分がわざわざドーナツを作るバイトを始めてしまったのか…。

 

思うに、やはり若さゆえなのかもしれません。

 

ですが、インターネット、スマホ全盛の時代においては、事前に楽で時給の高いバイトや、メリット、デメリットがわかってしまいます。

 

そういう情報が一切ない時代では、もう出たとこ勝負なので、悪い面もあるかもしれませんが、様々な面白い経験ができるという面もあるので、一概に否定できないと感じています。

(まあ、料理を作るのが嫌いな自分は、もう二度とそういう方面の仕事はしないでしょう)

 

ちなみに、1年間ドーナツを作り続けた為に、すっかりドーナツの甘ったるい匂いが鼻についてしまい、その後かなりの長い期間、ドーナツを食べたいという気が起きなくなりました。

 

以上です。

 

 

 

 

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