崖っぷち日本のユートピア社会学by大山昇悟

崖っぷちに立っている日本をどうしたらユートピア(理想郷)にできるか日々考え答えを探していくブログです

映画「フリーソロ」をオススメします

 

「効果的な休養研究所」ストレス解消編

 

今回はドキュメンタリー映画「フリーソロ」を紹介します。

 

フリーソロとは、命綱など安全確保道具を一切使わず、一人で岩壁を登るライミングスタイルです。


『フリーソロ』予告編

 

映画はアレックス・オノルド(1985年生まれ、34歳、カリフォルニア州出身)という、世界的に有名なクライマーが、ヨセミテ国立公園にある花崗岩の1枚岩エル・キャピタン、約1000メートルを命綱なしで一人で登りきるまでを映像に収めた、ドキュメンタリー映画です。

 

画像はWikipediaより引用

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このエルキャピタンは、ロープありでなら完登した人はいるのですが、「ロープなし、一人で」登ったクライマーはいないとのことなのです。

 

アレックス・オノルドは2009年頃から、このエルキャピタンをフリーソロで完登したいと考えていて、「挑戦しようか?〜いや、やっぱり無理だ」という感じで、葛藤していました。

 

アレックスが、数々の難易度の高い岩をフリーソロで征服していくのを、間近に見て映像に残していた映画監督が、今回エルキャピタンでのフリーソロへの挑戦をドキュメンタリー映画として撮影していきます。

 

エルキャピタンのフリーソロを、なぜ8年間も取り掛からなかったかというと、アレックス曰く「難しそうだから」だそうです。

 

ロッククライミングはやったことがないのですが、両手両足の4点を岩のへこみ、もしくは出っ張りに置くことが可能であれば、上に登れるようなのです。

 

ですが素人目でエルキャピタンをパッと見ても難しそうな印象をすぐに受けます。なにか全体にデコボコが少なく、取っ掛かりが少なく、ツルツルした印象の岩だからです。

 

フリーソロを挑戦するに当たり、アレックスは友人のクライマーに、協力を要請します。そしてその友人と共に、まずはロープありで、登ってみて、「ロープなしで登ってみた場合、どういうルートが難しく、どう攻略していくかを試して」最適なルートを構築していきました。

 

その間、難しそうな場所ではロープはあるものの、何回か手、足を滑らして落下する場面も出てきます。

 

観る側としては、本当に本番でロープなしで大丈夫か?という気になってきます。

 

映画は1時間40分ですが、エルキャピタンに取り組むまでの具体的な準備だけではなく、プライベートや収入についても語られています。

 

大体クライマーというのは、自身が使用する装備(登山靴、テント、寝袋など)のメーカーがスポンサーになってくれて、あとは完登した場合、その体験を書籍化する、または難易度が高くない山などの、登山ガイドなどが収入源らしいです。

 

アレックスの場合は、そもそもロープなしで一気に登りきるので、装備といっても専用の靴と滑り止めのチョークくらいなものなので、スポンサーがつきづらいみたいです。

 

ですが、映画ではその辺も率直に講演会で答えています。割とまあまあ収入はあるようです。

 

推測するに、重装備でかつ、組織的に高い山を登るスタイルだと一般の人には、何が凄いのかわかりづらいのですが、ロープなしでのフリーソロの場合は、見てすぐに凄さが伝わるので、講演会とかテレビなどに呼ばれやすいのかなと思います。(YouTubeではアレックスの他の山でのフリーソロの様子がいくつかアップされています)

 

話しをエルキャピタンへの挑戦に戻します。

撮影隊はアレックスが自分の登りたい日に、つまり心身ともにコンディションが良い好きな日に、登ってもいいように事前に岩の麓などに待機しています。

 

そして、ある日朝早く、まだ朝日が登る前に、アレックスはエルキャピタンに向かいます。そして登り始めるのですが、すぐに中止して降りてしまいます。

 

アレックス曰く「壁の小さなくぼみに右足をかけて、そこに全体重をかけたいという気になれなかった」と、その時の気持ちを撮影隊に吐露します。

 

撮影隊としては、やはりアレックスの命が大事なので、本人が乗り気でなければ、挑戦自体をやめても構わないと伝えます。

 

アレックスも撮影隊も今後どうなるのか、やや見通しが立ちずらくなり数日が経ちますが、ついにアレックスはエルキャピタンに再び挑戦し始めます。

 

アレックス曰く「その時、エルキャピタンを目の前にして、不思議と怖いという気がしなかった」そうです。

 

アレックスがいよいよ登り始めて、撮影隊もそれぞれに与えられた、撮影ポイントで撮影を開始します。

 

映画が公開されている以上、アレックスが落下して死ぬことはないとわかっていても、観る側としては完登するまで安心できません。

 

特にアレックスがロープありでの練習の時、何回か落下した難しい場所では、本当に両手、両足を複雑に交差させて、トラバース(横移動)している場面は見ていて、

足の裏に汗をかきます!

 

1時間40分の映画の中で、本番の登頂シーンの時間が少し短いと感じるかもしれません。

 

ですが、観ていると「早く無事に登り切ってくれ!(で、安心させてくれ)」という気持ちになるでしょう。

 

フリーソロの何が凄いのかというと、

一回のミス、一度のミスが許されないというところだと思います。文章にするのもヤボですが、1度のミスが即→に繋がるからです。

 

ここで、アレックスの自著「アローン・オン・ザ・ウォールより、本人の言葉を紹介したいと思います。

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「恐怖というものについて、ずっとずっと考え続けてきた。僕にとっていちばん重要なのは、恐怖を感じずに登ることではなく—そんなことは不可能だからだ—恐怖が細胞の一つ一つに忍びこんできたときに、それにどう対処していくかということだ」

 

恐怖への対処の具体的な考えなり、方法は述べていないようなのですが、それに近いのではないかと思われるのが事前準備です。

 

「何時間も何時間も座ったまま、ひたすらイメージトレーニングを繰り返した。一つ一つのムーブを、起こりうる全てのことをイメージする。これから挑もうとしていることを体に染み込ませるにはそうするしかない。

フリーソロの成否は事前の準備に尽きる、と言ったのはそういうことだ」

 

そして、アレックスはついに1000メートル弱のエルキャピタンを命綱なしで完登することに成功します。

 

登頂前の撮影期間中のアレックスからは、やや緊張感を感じましたが、8年越しの夢を叶えた直後のアレックスの笑顔が本当に素晴らしいです!

 

やはり自分の限界を超えていき、成長することが人間にとっての幸福であることは間違いない

、とあらためて思わせる映画です。

 

見終わった後は、自分も何かにチャレンジしてみたくなるかもしれません。

 

*ちなみに書籍の方は、エルキャピタン挑戦前に書かれた本です。本も読んでみたい方は映画を観る前に読んでおくといいでしょう。

 

ストレス解消点95点

 

 

 

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