崖っぷち日本のユートピア社会学by大山昇悟

崖っぷちに立っている日本をどうしたらユートピア(理想郷)にできるか日々考え答えを探していくブログです

映画「きっとうまくいく」をオススメします

「効果的な休養研究所」気分転換&充電編

 

今回はインド映画「きっとうまくいく」を紹介します。

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以下あらすじです(Amazonより引用)

【日の出の勢いで躍進するインドの未来を担うエリート軍団を輩出する、超難関理系大学ICE。エンジニアを目指す天才が競い合うキャンパスで、型破りな自由人のランチョー、機械より動物好きなファルハーン、なんでも神頼みの苦学生ラジューの“三バカトリオ"が、鬼学長を激怒させ、珍騒動を巻き起こす。 抱腹絶倒の学園コメディに見せつつ、行方不明のランチョーを探すミステリー仕立ての“10年後"が同時進行。根底に流れるのは学歴競争。加熱するインドの教育問題に一石を投じ、真に“今を生きる"ことを問いかける万国普遍のテーマ。】

 

自分はインド映画自体を観る機会があまりなく、おそらく10本も観ていないです。とはいえインド映画の製作本数が世界的にみても抜きんでていることは知っていました。(ちなみに2017年は1900本以上製作!)

 

本作は2時間50分という大作ですが、全編飽きずに観ることができると思います。

 

インドの理系大学ICEを舞台に、3人の学生の大学生活、進級騒動、恋愛、親子問題、就活などを通して成長していく青春映画です。

 

ストーリーの出だしは、大学を卒業した後の10年後から始まります。

 

実は大学時代に、主人公のランチョーと、考え方が違うある同級生が「10年後にどちらが成功しているか」を競って、10年後にまた再会して決着をつけようということになっていたのです。

 

ところが10年後に約束の場所に行ってみると、

ランチョーは姿を現しません。ランチョーと競っていた同級生は「俺の勝ちだ!」と主張しますが、ランチョーの優秀さを知っている友人2人は納得せずに、ランチョーを探しに実家まで会いに行こうという話しになります。

 

この映画の序盤以降はほとんど3人の学生時代のエピソードになります。

 

インドの内情にはあまり詳しくないのですが、3人の学生時代の話しが、どこの国でも見られる青年期特有のテーマを扱っています。

 

友人二人のうちファルハーンという子は、生まれた時から父親からエンジニアになれと言われているものの実は写真家になりたくて、そのことを父親に言えないでいます。大学を卒業するまでにはその問題に関して父親と白黒つけるしかないかも、という悩みを抱えています。

 

もう一人の友人ラジューは、家庭が貧しくて父親は病気持ち、姉はいい年なのに結婚できないなど、家庭に関して劣等感を抱いていて、自身の学校の成績などについても気にしています。

 

学生時代によく見かけるような、それぞれ固有の悩みを抱えている設定は、やはり万国共通であり共感を覚えるのです。

 

反面主人公自体は映画の中で、物凄く優秀だが謎の人物として設定されているので、劇中ずっと不思議な雰囲気を漂わせています。なので観る側としては「彼は本当にこの映画の主役なのか?」という疑念が湧いてくるかもしれませんが、実は主人公のその立ち位置もクライマックスに向けての伏線なのです。

 

映画の中では、ICE大学の学長も重要な役割を果たします。ICE自体が世間も羨む難関大学であり、学長は学生生活を例えて「世の中は戦争であり、地面に落ちた卵になるか、孵化して飛び立つか、二つに一つ」というややいびつな価値観を持っています。

 

学長の娘と主人公は恋人のような関係にあるものの、学長の価値観に対して、よく思っていない天才肌の主人公が、学長に対して様々に挑戦していく場面も青春映画として観るとよく出来ていると思います。

 

また映画製作という観点から見て、驚いたのが、絵コンテや演出のレベルがハリウッド映画とほとんど変わらないくらい洗練されているということです。

そしてインド人自体も日本人がイメージしているようなローカルな感じはあまりなく、割とこざっぱりしていてオシャレなので、違和感なく映画に入ることができました。

 

唯一インド映画っぽい部分といえば、劇中ミュージカル風な演出が多々あるので、そこだけは違和感を感じるかもしれません。まあ、ディズニーアニメも映画の中でミュージカル場面を結構挿入するのでそれのインド版と捉えればいいでしょう。

 

やがて3人の卒業が近づいてきます。

ファルハーンは、父親に向かって自分が写真家になりたいことを言えるのか?

ラジューは、臆病な自分に打ち勝って、就職面接を受けようと決意できるのか?

 

また天才肌のランチョーの卒業後の行方は判明するのか?

 

主人公と二人の友人、そして、友人の親、学長と、娘など、それぞれが課題を抱えており、映画の中でその課題と向き合い、各人が脱皮していく様子が、上手に描かれていきます。

 

ラスト、10年ぶりに会った友人たちが、インドの抜けるような青空のもと、弾けるような笑顔を見せる。2時間50分の大作だが、見終わった後は必ずや、インドの青空のように爽やか気持ちになれる映画であると思います。

 

この映画はスピルバーグ「3回観た」のも、ブラッド・ピット「心が震えた」というのもうなずけるクオリティだと思いました。

 

気分転換点90点+充電点95点

 

 

 

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