国際政治アナリスト伊藤貫氏の5つの未来予測
今回のブログは、YouTube「新日本文化チャンネル桜」で、国際政治アナリストの伊藤貫氏がここ数ヶ月複数回に渡り、アメリカや日本について語ったことの中から、将来の日本にとって重要だと思われることをまとめてみた。
伊藤貫/プロフィール 【1953年東京都生まれ。国際政治アナリスト。東京大学経済学部卒。アメリカのコーネル大学で国際政治学と外交史を学ぶ。その後、ワシントンのビジネス・コンサルティング会社に、国際政治・経済アナリストとして勤務。『フォーリン・ポリシー』『シカゴ・トリビューン』『ロサンゼルス・タイムズ』『正論』『Voice』『週刊東洋経済』等に、外交評論と金融分析を執筆。CNN、CBS、BBC等の政治番組で、外交・国際関係・金融問題を解説。ワシントンに30年間在住】
伊藤貫氏は、今後10数年のあいだに中国がどのように台頭し、それによって日本がどうなるかを5つの段階に分けて述べている。
以下の5つの未来予測のそれぞれについては、筆者がもう少し詳しい情報を加筆した。
ちなみにこれから紹介する5つの未来予測は、日本がいつの時点で消滅するかの未来予測である。
1.2023〜24年頃、イランの核兵器開発が成功する。
2015年にイランと米・英・仏・独・ロ・中の6ヵ国の間で結ばれた「イラン核合意」は、イランの核兵器開発を大幅に制限する為のものだったが、2018年にアメリカが合意の内容に弾道ミサイルの開発規制がないこと等を理由に離脱。
合意の実効性が確保されないまま、イランは核兵器を開発できるとされるウラン濃縮活動を行なっており、今年の6月時点では濃縮度60%を達成している。濃縮度が90%以上になれば核爆弾が製造可能になり、おそらく開発成功は2023〜24年頃と見られている。
米バイデン大統領は今年7月イスラエルの放送局チャンネルで「(イランの核武装を阻止する為に)アメリカは、国力のあらゆる要素を行使する用意がある」と発言した。これはイランに対しての事実上の武力行使宣言である。
伊藤氏はもしアメリカとイランが戦争になった時、同時期に中国が台湾や尖閣を侵略した場合、「イランで手いっぱいなアメリカは、台湾や尖閣を助けることはできないだろう」と予測するのである。
2.2027〜2030年、中国の東アジアにおける通常戦力がアメリカ(米インド太平洋軍)を凌駕する。
↓下記の画像の水色の部分が米インド太平洋軍の管轄範囲
↓1999年の時点では米インド太平洋軍が中国の軍事力を上回っていた
↓2025年の予測。中国軍が米インド太平洋軍を逆転し、かなりの差をつけている
米インド太平洋軍前司令官のデービッドソン氏が、2021年3月米議会の公聴会で中国の台湾侵攻の時期について発言した。
「2027年は、習近平国家主席が3期目の任期を終え、4期目を迎える時。その政治的なダイナミズムを考慮すれば、中国の(台湾への)脅威が明白になるのは6年以内(〜2027年)だと思います」
デービッドソン前司令官は中国軍に対して、様々な対応を考えているようだが、中国軍の戦力は2025年頃には米インド太平洋軍を上回っているという予測がされている。
伊藤貫氏によると、「2025〜27年頃に中国軍が米インド太平洋軍の戦力を上回った時、アメリカは中国の台湾・尖閣などへの軍事行動に対して、手を出すことはできないだろう」という米軍関係者からの情報を得ているのである。
3.2028年頃、中国とロシアを合わせた経済規模がアメリカを抜く。
2022年の中国+ロシアのGDPは2180兆円。アメリカのGDPが2500兆円。その差は320兆円。
中国とロシアのGDP成長率を3.5%とし、アメリカを3%として、2028年まで計算するとその差はそれほど縮まらずに、まだ300兆円以上の差がついた。
各国の経済成長をどう見るかで、数字は大きく変わるものなので、別の計算をすると違う結果が出るのかもしれない。
2年前の記事だが、英国の調査研究機関「経済・ビジネス研究センター」が公表した世界経済に関する年次報告書で、中国の経済規模が2028年に米国を抜き、世界一になるとの予測を示している。
そして、現時点でアメリカの軍事予算は、GDP比3.8%であり、中国は2%である。もし中国がアメリカのGDPを抜いて、軍事予算を3.8%以上にすれば、当然この時点で中国はアメリカ以上の軍事予算を使うことができるのである。
ということは、中国のGDPがアメリカを上回ったと同時にアメリカは中国に対して尻尾を巻く可能性が高いということなのだ。
またロシアの経済規模自体は高くはないものの、核兵器の数はアメリカをかなり上回っている為、経済という要素を入れなくても現時点でロシアと中国が本格的に手を組みアメリカと対峙するのであれば、アメリカ一国ではかなり厳しいと懸念されている。
4.2030年代〜サミュエル・ハンチントン(「文明の衝突」の著者)の5つの予言
*サミュエル・ハンチントン/プロフィール
【1927年アメリカ・ニューヨーク生まれ。アメリカを代表する国際政治学者。ハーヴァード大学教授や国家安全保障会議の安全保障政策担当のコーディネーターなどを務めた。】
①アメリカが目指している世界の一極化は失敗
②米国内の人種対立は悪化
③プロテスタント倫理とアングロサクソン的政治文化を失ったアメリカは国家のアイデンティティを失い、不安定になる
④アメリカは中国との覇権闘争を続ける長期の意志力、精神力を失う
⑤従ってアメリカは東アジアから撤退。結果日本は中国の属国になる
伊藤貫氏は、ハンチントンの予言を紹介した上で、「僕もまったく同じ意見です」と述べた。
総合国力とは一国における「経済力、科学技術力、文化力、指導者、政治的影響力、国際同盟の強さ、軍事力、国家としての影響力」などを総合したものである。(*明確な指標などはない)
米誌「USニューズ&ワールドレポート」2021年版ではアメリカが1位、中国が2位となっている。
筆者も独自に考えた指標を調べて、アメリカと中国の総合国力を簡単に比較してみた。
◉科学論文数
1位中国66万件
2位アメリカ45万件
◉世界大学ランキング
アメリカ→トップ10に8校ランクイン
◉世界企業時価総額ランキング
アメリカ→トップ10に9社ランクイン
中国→15位、16位にランクイン
◉本の出版点数ランキング
中国→44万点
アメリカ→30万点
◉世界幸福度ランキング
アメリカ→16位
中国→72位
◉軍事予算
中国→29兆円(GDP比2.0%)
以上簡単にアメリカと中国の総合国力の目安になる分野を比べてみた。
「USニューズ&ワールドレポート」のランキングでは2020年が中国が3位、2021年が2位に上っているのだけ見れば2035年には中国がアメリカを抜いていてもおかしくない。
ただ筆者が調べたデータを見る限りでは2035年の時点でも、総合国力で中国がアメリカを抜くのは少し難しいと感じる。
特に大学と企業の分野では、自由な精神が守られていない場では雨後の筍のように新しい会社を作ったり、自由な発想で学問を進めるのは難しいと思うのである。要するに現在の中国のように情報取得や、言論に制限がかけられたりする国では成長が頭打ちになるのではないかと予測する。
とはいえ中国の人口はアメリカの4倍もあるので、その人口を上手く活かしつつ、もともとの強みである商売上手(ずる賢い面や投機的な面も含む)を合わせれば、経済力はもっと伸びる可能性がある。
中国共産党は、総合国力自体よりも数字上の経済力のみ伸ばして軍事力に転嫁する戦略に優先的に力を入れているように筆者には見える。
何より軍事力の基礎は経済力だからである。
結論としては現在の中国の国際社会での影響力の大きさから言えば、2035年には総合国力でアメリカを抜いていてもおかしくない。もし抜いてなくても数字上の経済力ではアメリカを凌駕している可能性はあるので、同時に軍事力もアメリカを抜いていることになる。
そういう意味で2030年代は中国がアメリカに代わって世界の覇権を握る条件は整うのではないかと予測できるのである。
以上、国際政治アナリスト伊藤貫氏の5つ未来予測を筆者の調べた情報も加筆して紹介した。
4番目のハンチントンの予言のみ、アメリカ国家の衰退が原因になるが、それ以外の予測は全て「中国の軍事力、または総合国力がアメリカを相対的に上回る結果、アメリカは日本を守ることができない」という結論になっている。
伊藤貫氏は長年ワシントンに在住しているが、本当に日本の政治状況を憂いている。
では、どのようにすれば日本は消滅せずに存続できるのか?
伊藤氏は2020年に出版した著書「歴史に残る外交三賢人」の中で「現在の日本外交の苦境を理解するのに最も役に立つのは、ドゴールの外交思想と国家哲学である」としてドゴール(1890〜1970・フランス第18代大統領)の外交思想を紹介している。
以下「歴史に残る外交三賢人」より
【ドゴールにとって、国際政治の最も基本的な行動主体は常に国民国家であり国際組織や集団的安全保障機構や同盟関係ではなかった。
彼は国民国家だけが歴史的にも道徳的にも最大の価値と永続性を持つと考えていた。
これに対して国際組織や集団的安全保障機構や同盟関係は歴史的に短い期間の利害関係を形式化したものに過ぎず、国際政治の条件が変わればあっさり有効性を失うものでしかなかった。
ドゴールは「自国を占領した外国(例:アメリカ)の軍隊の統治行為にせっせと協力して自分たちの利益と安全を確保をしようとする」などを長期間続けると国家と民族の一貫した廉潔性や、正統性、責任感を喪失してしまう。国家の意思決定能力が麻痺してしまう。そのような国家は知的精神的な不毛国家となる、と確信していたのである。
ドゴールは国際政治を多極化しフランスの自由と独立を回復するためにはフランス独自の核抑止力が絶対に必要だと確信していた。】
そしてフランスはドゴール大統領の号令のもと1957年に核開発に着手し、1960年に原爆実験を成功させたのである。
伊藤貫氏は10年以上前から、日本にとって最もコストが安く、かつ防御的な兵器は、原子力潜水艦に核ミサイルを搭載することだと主張していた。地上に設置されている核ミサイルは敵から狙われやすいが、原子力潜水艦だと海中深く潜航し続けられる為、抑止力としては効果が高いという。
ちなみに最近少し話題になった核シェアリングなどは、アメリカの「ライバル国に核を持たせない為の嘘」と一蹴するのである。
伊藤貫氏のYouTubeの動画は、一回が1時間と長いものの、一つひとつが大学で国際政治学の講義を受けているような気になるくらい魅力に溢れている。ぜひ視聴をお勧めする。
動画の中ではにこやかに話しをされている伊藤氏だが、くだんの書籍の最後のページではやや悲観的な文章で締めくくっている。
「敗戦後、アメリカの保護にひたすらしがみついてきた依存国家日本のレクイエム(鎮魂歌)が聴けるのも、もうすぐである…」
筆者はレクイエムは聴きたくない。その為にこのブログも書いている。
日本人一人ひとりが自分のこととして主体的になり、日本の未来を明るくする為に何ができるのかを考え、行動するのは今しかないのである。
「友あり遠方より来たる また楽しからずや」N県〜九州3泊4日の旅
「効果的な休養研究所」気分転換&充電編
8月になってから自分の職場がだいぶ暇になったので「これなら有給休暇が取りやすいかも」と密かに目論んでいたところ、大分県の元同僚の休日が上手く重なったので、「思い切って九州まで行ってしまえ!」となり、9月15日から3泊4日で九州に旅行に行くことにしました。
ただ元同僚のAさんの住んでいる市の駅の近くには、あまり気の利いたビジネスホテルがない為に、その手前の小倉駅近くのホテルで1泊し、Aさんに会うのは2日目にしました。
で、移動手段としては新幹線を利用すると、自分が住んでいるN県からでは、28000円くらいになる為に、それより8000円安い飛行機で行くことにしました。
個人的には乗るまでにややこしい手続きがある飛行機はあまり好きではないのですが、仕方ありません。
ネットでチケットを予約し、いざ当日。
紙のチケットを受け取るまでの手続きは割と簡単だったものの、問題はこの後でした。
搭乗口の前まで行くと、早くも5〜6人が並んでいて、なにやらベルトコンベアーみたいのに手荷物をカゴに分けて入れています。何をどうすればいい?
ぶっちゃけ、
自分は飛行機に乗るのは人生で3回目!
超初心者の自分は何をやっていいかわかりません。しかもなんらの説明書きもありません。
何をどうしたらいいのか戸惑っていると、制服をきた係りの女性がたまたま側に来たので、やり方を教わって事なきを得ました。
しかし、ほっとしたのも束の間…
ブーッ❗️
と、自分がゲートをくぐりかけたらブザーが鳴りました。
係の女性「ベルトのバックルが金属だとブザーが鳴りやすいです」と言われ、急いでベルトを外して、再度ゲートをくぐったら今度はクリアしました。
そして荷物を受け取って搭乗口まで向かう中で、「次回は飛行機ではなく、高くても新幹線にしよう」と思ったのでした。
飛行機に乗り慣れてない自分が悪いのですが、二人の女性係員の雰囲気があまり優しくなかったように感じたので…。
そしていよいよ飛行機に乗り込み、福岡空港へ向けて出発です。
N空港から福岡空港までは、約1時間40分の旅でしたが、思ったよりエンジン音がうるさく感じました。これは自分の座席が翼の近くだったからかもしれません。
ただ機内からの眺めはとても良くて、田舎っぺ丸出しで窓から何枚も写真を撮ってしまいました。
これは新幹線では味わえない感覚でした。
で、飛行機は墜落せずに、無事福岡空港に到着しました。
そこからは地下鉄と新幹線を利用し、小倉駅近くのビジネスホテルに一泊しました。
次の日、朝8:00から電車に乗り、元同僚Aさんが住んでいるK市へ。
ここでAさんがどういう人か紹介します。Aさんは自分がC県の障害者施設で働いていた時の後輩です。自分より5年後に配属になっていて、同じホームで2年くらい働いたような気がします。
ストレスが溜まりやすい障害者施設で、常に明るく振る舞っていた気立ての良い女性です。
自分がその施設を退職してからは、連絡などは全然していなかったのですが、数年前にLINEでたまたま繋がってから、時々オススメの本や、映画のチケットをプレゼントしたりしていました。
今回、仕事が暇になったのを幸い、旅行と気分転換も兼ねて大分県まで、Aさんを訪ねてみようと思ったのでした。
そして小倉駅から電車で2時間以上かけて、K駅に到着。正直10数年ぶりに再開するので少し緊張しました。駅の改札口で待っていてくれたAさん。髪型は変わったけど声はほとんど変わってなかったので少しほっとしました。
イメージ的には三つ編みをしてない赤毛のアンみたいな感じの女性です。
Aさんは、N県からはるばる飛行機に乗って大分県まで訪ねてきた自分を歓迎してくれて、地元の名所などをあちこち案内してくれました。
K市の名所などをAさんと二人で散策していると、九州にいるのが何か不思議な感じがしました。
そして地元のレストランで食事をしながら昔話に花が咲きました。AさんはC県で数年間働いた後、大分県に引っ越し、現在は高齢者施設で働いているとのこと。
そして今は主任をしていると聞き何か感慨深くなりました。
Aさんとは仕事の話しだけではなく、別府湾の海岸線に二人で座って今後の日本の行く末についても話しました。
彼女にどこまで自分の真意が通じたのか?ひょっとしたらほとんど通じなかったかもしれませんが、自分がかつて懸命に働いていた職場で、Aさんの明るい働きぶりが自分の励みになっていたことは間違いありません。
その日は夜の20:00すぎまでファミレスで話しをした後、K駅近くの民宿までクルマで送ってくれました。
ある意味突然九州まで訪ねて来た自分を快く迎えてくれたAさんには感謝しかありません。
彼女の今後の人生が幸福になるように願いつつ、翌日大分県を後にしました。
今回の旅はAさんに会うことが最大の目的だったのですが、N県までの帰路にもう一つ楽しみを作っていました。
それは、東京駅まで寝台列車に乗ることです。
もうかなりの昔、九州から東京駅まで寝台列車に乗ったことがあり、今回もそれを利用しようと思ったのです。
ところがネットで調べてみると、なんと新幹線が発達したせいか、寝台列車の利用者が減ってしまい、現在は九州〜東京駅は消滅し、岡山駅〜東京駅の区間だけらしいのです。
それでも日中、新幹線に長時間乗るよりも、夜間寝ている間に、朝方東京駅に到着している方が合理的だと思い、帰路は岡山駅22:34発「サンライズ瀬戸号」に乗ることに決めました。
で、K駅から岡山駅まで4時間近くかけて移動。14:00前には岡山駅に到着。ここから22:34までどう時間を使うか思案しました。
まずは駅近のファミレスで昼食をゆっくり食べて2時間使う。そのあとはスターバックスに入り4〜5時間粘ろうと決めました。
で、まずは駅近のサイゼリヤへ。ここで早くも誤算が。店内が冷えるのです。おそらくこの日は外の気温が27.28度くらい。一時期よりかなり気温が下がってます。であるにも関わらず、店内の冷房の温度設定は真夏バージョンで冷やしていたせいか、長時間サイゼリヤにいるのは無理でした。1時間くらいでサイゼリヤを出た自分は、イオンモールで長袖のシャツを購入(3000円くらい)。
次はスターバックスに行こうと思い、駅近に3件あるスターバックスを覗いてみたもののこの日は、土曜日の為どこも満員。レジ前には5〜10人くらい並んでいました。
座れるか微妙な状態でしたが、他に気の利いた店もない為、座れないことを覚悟でイオンモール5階のスターバックスでホワイトモカを購入。
テーブル席は満席で座れませんでしたが、なんとかカウンター席に座れました。
サイゼリヤと同じくスターバックス店内も、クーラーで冷え冷えでしたが、長袖シャツに着替えた為、3時間スターバックスで粘ることに成功。
21:00すぎに店内を出て岡山駅改札口へ向かいました。
出発は22:34なので、やや中途半端な時間になりますが、気分を出す為に改札口前のセブンイレブンで夜食を購入。遅い時間にも関わらずたくさんの人達が並んでいました。
そしていよいよ「サンライズ瀬戸号」が出発するホームへ。
ホームには7.8人が待っており、みんな手にスマホを持ち、サンライズ瀬戸号が来るのを撮影しようと待ち構えています。
かくゆう自分も、これが最後かもしれないと思い、またブログのネタにしようと思い、撮影しようと身構えていました。
そしてついに…
↓2階建てで、それぞれ寝台車だと思います。
↓この写真を撮っている時、自分の周りにも4.5人がスマホで撮影していました。
早速列車内に乗り込みます。自分はB寝台シングルにしました。
↓ドアを開けるとこんな感じ
↓ドアを開けた足元は、靴2足分くらいのスペース。室内用(車内用)のスリッパが最初から置いてありました
↓室内から見える岡山駅ホーム
22:34に岡山駅を出発。車内にはシャワールームもあるのですが、朝7:30には東京駅に着くので、睡眠時間を計算すると、そんなにアレコレできません。
なのでシャワーはパスして、買ってきた夜食(サンドイッチ、おにぎり)を食べることに。
それにつけても残念なのは、サンライズ瀬戸号の九州までの便が消滅したことです。
昔、利用した時は博多駅あたりから、夜19:00くらいに出発して、翌朝7:30に東京駅に着いたような気がします。そのようなタイムスケジュールであれば、豪華な駅弁を買って食べる楽しみもあれば、シャワーを浴びる時間もあると思います。
ですが岡山駅からの出発だと22:30頃出発な為、ほぼ寝るだけで終わってしまいます。
需要が減って九州までの便が無くなったと思われるので、そこはすごく残念です。
ちなみに今回久しぶりに夜行寝台車に乗ってみた感想としては、昔より車内の振動が緩和されたように感じました。なので夜はぐっすり眠れました。
朝7:30に東京駅に着いた自分は、駅構内で2時間ほど時間を潰して、昔の友人O君に会う為にC県のK駅に向かいました。
ところがここでやらかしてしまいます。
帰りは上野駅発N県までの新幹線に乗る予定だったので、重いボストンバッグは上野駅新幹線改札口近くのコインロッカーに入れておきました。
そして身軽になった自分は、電車に乗ってK駅まで行ったのですが、いざ降りる段になった時に…
❗️あれっ?俺って岡山駅から東京駅までの切符って、ボストンバッグの中に入れたままじゃね?
切符が無ければ精算できないじゃん!
今から上野駅まで戻ってコインロッカーから切符を取って来るしかないのか?
友人との待ち合わせ時間が迫っている中、わざわざ上野まで戻る余裕などありません。
そこで駅員さんに事情を話してわかってもらおうと決めました。
そしてたまたまですが、「岡山駅発東京駅行き サンライズ瀬戸号」の切符の画像を撮っていたことを思い出し、その画像を見せれば納得してくれるだろうことを期待して駅員さんに交渉したのです。
↑上記の画像を駅員さんに見せて切符を上野駅のコインロッカーに忘れてしまったことを熱く語ったのですが、反応は今ひとつで「切符がないなら上野駅まで取りに戻ってくるしかない」的な反応です。
そこでさらに自分が昨夜サンライズ瀬戸号に乗っていたことを示す寝台車の画像を見せることに。
「駅員さん、今自分が履いているスニーカーと車内に置いてあるスニーカーが同じでしょ」
↓
上記の画像を見て納得した駅員さんは、切符が無くても上野駅→K駅間の精算で了承してくれました😁
友人O君とはその後3時間ほどファミレスでおしゃべりをして、楽しい時間を過ごしました。
今回のN県→九州→東京→N県までの3泊4日の旅は台風が迫っていたものの、旅程が台風の北上より1日早かった為、なんとか逃げ切ることができました。
色々と思い出深い旅行になったと思います。
特に忙しい中時間を作ってくれたAさんとO君にも感謝の極みです。
気分転換点100点 充電点100点
中国による「台湾・尖閣」侵略作戦シミュレーション③
前回、前々回の記事で中国による「台湾のみの単独侵攻」と「尖閣のみの単独侵攻」が合理的でないことを解説した。
今回の記事では、最も可能性が高い「台湾と尖閣の同時侵攻」を考察する。
以下は、日本安全保障戦略研究所による「日米台連携メカニズムの構築」から抜粋し、要約したものである。
台湾と尖閣の同時侵攻
台湾と尖閣の侵攻戦力の主体となる部隊は、次の理由により東部戦区部隊が担うと予測できる。
①台湾の対岸に位置し地理的に最も近いこと
③人事・装備面で重視されており習主席自ら部隊訪問を行なっていること
④活発な活動・演習状況が見られること
なお、南部戦区部隊は南シナ海正面を防衛しつつ、東部戦区部隊の攻勢を支援することになるとみられる。
「台湾・尖閣の同時侵攻」が行われる可能性は、以下の理由から、三つの侵攻パターンのうちで最も高いとみられる。
①中国軍の戦略家の文献では、台湾と尖閣諸島を中国軍が太平洋に出るための「大門」の「かんぬき」として、戦略的に一体不可分の地政学的価値を持つと見ており、実際の中国軍の海空軍の演習や訓練でも宮古水道を通過して西太平洋に出て、それから台湾東岸に周りさらに台湾を周回する経路、また日本本土太平洋岸に出る経路が多数確認されていること
②A2/AD戦略(第一列島線、第二列島線を突破して西太平洋を支配する戦略)を基本とする中国軍にとって、米軍空母舞台の来援阻止のために海空軍と各種ミサイル戦力により、西太平洋を制圧しつつ、台湾の南北にある宮古水道とバシー海峡の両翼から台湾を包囲するのが、最も早期かつ確実に米軍来援を阻止・遅延する態勢を確立でき、台湾を完全に孤立させることができること
③米軍基地がある沖縄と、自衛隊が配置されている南西諸島に対する東部・北部戦区の海空軍の支援を直接得られ、上海以北には港湾や航空基地、兵站拠点も多く距離的にも近いことから、中国軍が戦略攻勢を取る条件が整っていること
④奇襲的なミサイルの集中攻撃、宇宙・サイバー・電磁波戦での戦略先制奇襲に成功すれば、日米の戦力発揮は一時的に困難となり、反抗作戦を遅延させ、その間に台湾を一挙に占拠する可能性があること
しかしこの侵攻には、以下のような問題点もある。
①台湾の両翼包囲には大規模侵攻戦力の集中が必要となり、北部戦区歩の一部も支援する必要がある。南部戦区も南シナ海正面の防衛に主力を使用するためバシー海峡からの攻勢に全力で参加はできないと見られる。
結果的に両翼から同時に台湾を奇襲的に包囲するに十分な戦力を集中するには限界があるとみられる。
②逆に在沖縄・日本本土、在韓国の米軍が存在する限り、台湾に対する宮古・バシー海峡からの両翼方位による分断孤立は容易ではないと見られる。
結論的に言えば、中国軍としては在沖縄・日本本土・在韓国の米軍の撤退または不介入を保障できる情勢のもとで宮古水道正面を主攻としバシー海峡方面からの助攻による台湾両翼方位作戦を奇襲的に行い、一挙に既成事実化してしまう可能性は高い。その際には一体と見ている尖閣諸島を台湾本島の侵攻と同時または直前に奪取すると見られる。
侵攻時期については各種要因に左右されるとみられる。一つは中国国内の権力闘争や、戦力の整備等であり、もう一つは米国内での2024年の大統領選の帰趨である。
以上から、台湾本島の侵攻については条件成熟を待つため2023年から2027年となる可能性が高い。特に中国人民解放軍創設100年を迎える2027年が節目の年になるとみられる。
もし2027年までに情勢が成熟せず、同時期までに実行できなかった場合も、さらに長期の一貫した戦略目標として、習近平主席の任期中に「強軍の夢」達成の中間目標年である2035年までに達成すると見ることができよう。
以上、「日米台連携メカニズムの構築」より①台湾のみの単独侵攻②尖閣のみの単独侵攻③台湾と尖閣の同時侵攻を概説した。
この書籍は自衛隊の幹部を歴任したような人達が共著者として名前を連ねており、軍事的には信頼できる書籍ではあると思う。
だが筆者は日本と世界の混沌とした情勢を見るにつけ一抹の不安を覚えるのだ。
例えばこのシリーズで3回に渡り中国軍の台湾(及び尖閣)の侵略パターンを考察してきたが、そのいずれも自衛隊が出動することを前提に仮説が組み立てられていることである。
ちなみに、もし台湾と尖閣の有事に自衛隊が動くとしたら、2015年に成立した平和安全法制に基づくものと考えられる。
平和安全法制には「存立危機事態」と「重要影響事態」の二つの概念が入っている。
「存立危機事態」とは「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と定義される。
「重要影響事態」とは「そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」と定義される。
だが、法律としては整備されていても、自衛隊を動かすのはあくまで自衛隊の最高指揮監督権のある内閣総理大臣なのだ。
もし、尖閣と台湾が中国軍に侵略され始めた時に、その時点での総理大臣が日本の領土を断固として守るべく決断出来なかった場合もあるのではないだろうか?
もし、その時にアメリカが台湾と尖閣を守るべく米軍を動かさなかったら、日本は単独で行動できるのだろうか?
さらに、不安なのは日本だけではない。ペロシ議員訪台後の台湾の世論調査で、台湾の人々の6割が「軍事衝突を心配していない」と回答したというデータもあり、台湾国民の無関心ぶりが現れている。
アメリカでもペロシ議員訪台後に中国がミサイルを台湾沖に11発発射した際、米国防総省のジョン・カービー報道官が「我々は台湾独立を支持していない」と発言するなど、日米台連携を弱体化させる要因も厳然として存在するのだ。
それにしても、なぜナンシー・ペロシ下院議長は8月に台湾訪問を強行したのだろうか?その理由としては、11月の中間選挙に向けてのアピールであると見る向きもあるが、ロシア・ウクライナ戦争が丸く収まっていない時期にリスクが大きすぎないだろうか?
結果的にペロシ議員の行動は中国にとっては渡りに船になり、台湾周辺での軍事演習を常態化することができるようになった。
穿った見方かもしれないが、ペロシ議員の行動は中国が動きやすくするようにしているようにも見えるし、ひょっとしたら中国が台湾と尖閣を占領することでアメリカの一部の人達が得することでもあるのではないかと疑念が湧くのである。
台湾と尖閣の侵攻時期を2023〜2027年と予測されていたが、侵攻の必要条件、充分条件はかなりの程度まで整っているのではないかと不安は募る。
その不安を払拭する要因は世界中を見渡しても見当たらないように見える。が、筆者にはもしかしたら日本人一人ひとりの手の中に微かに希望があるかもしれないとも感じるのである。
日本人は未来を変えられる地点を横目でやり過ごしてしまうのだろうか…それとも…。
中国による「台湾・尖閣」侵略作戦シミュレーション②
前回の記事では「台湾のみの単独侵攻」が合理的でない理由を解説したが、今回は「尖閣のみの単独侵攻」の成否を考察する。
その前に尖閣諸島が日本の領土であるということを、いしゐのぞむ長崎純心大学准教授の論考を参考にして簡単に触れておきたい。
明国の使節、陳侃(ちんかん)が1534年に琉球に渡航した際に書いた、現存最古の使録を参照する。
当時、陳侃以前から琉球船はほぼ毎年福建に渡航していたが、逆に、福建側の使節船が琉球に渡航するのは平均30年に一度ほどに過ぎない。
陳侃は釣魚島(尖閣)航路に出航する前、福州で準備をしていた。その時、琉球国からの貿易船が入港した。陳侃は三回喜んでその入港を書き記した。
以下は陳侃の言葉。
「福建人は航路を知らないので、どうやって渡航しようかと憂いていたところ、琉球から公認貿易船が来た。我々は、詳しい琉球情報を提供してもらえると喜んだ」
「琉球の太子から迎えの船が来たので(中略)その船を先導として渡航できる。そこで我々はさらに喜んだ」
「先導の船に頼らずとも、琉球から派遣された針路役、及び水夫30名が同船してくれる。我々はもう一度喜んだ」
つまり福州市から琉球を目指して東に進むと、まずは右に台湾が見え、次にしばらくして左側に魚釣島(尖閣)が見える。またしばらく進むと右に宮古島が見えて、さらに進むと左に琉球が見えるのである。
当時の明国人は台湾の位置はわかっていたが、そこから先の尖閣、宮古島の位置を明確には分からなかった為に、琉球人が自分たちの船に乗って琉球までのルートを教えてくれることを喜んだのである。
これにより釣魚列島(尖閣諸島)を琉球人がすでに発見していたことが推測できるし、陳侃の発見でないことはほぼ確定的である。
陳侃以後の使録でも、琉球人が針路役だったことは繰り返し記述される。往路で台湾の西側から早くも琉球人の針路案内に任せたことを示す史料(李鼎元「使琉球記」など)もある。
要するに、中国の最も古い文献によれば当時の中国が釣魚島(尖閣)の正確な位置を把握してないことは明白であり、ということは釣魚島は元々中国の島だったなどと主張することはおかしなことなのである。
逆に琉球側からすれば、毎年のように福建に渡航しており、その際には当然釣魚島(尖閣)も目印にしていたことだろう。
このように琉球文化圏内と呼ぶべき釣魚列島であれば、明治に日本が琉球を併合してから日本の領土となったのは文化的に極めて自然な話しなのである。
次に、尖閣(釣魚島)が日本の領土であることを踏まえつつ、中国による「尖閣のみの単独侵攻」を考察する。以下は日本安全保障戦略研究所による「日米台連携メカニズムの構築」から抜粋し、要約したものである。
尖閣のみの単独侵攻
尖閣単独占領は、所要戦力が最も少なく、現在の戦力バランス、軍事態勢上いつでも実行可能とみられることから、漁民に偽装した海上民兵、海警などを主用し、日本側の防衛出動下令を出来るだけ遅らせつつ、奇襲的に作戦が実行され数日以内の短期占領を目指すとみられる。
しかし、その後日米による尖閣上陸部隊に対する海上封鎖と遠距離火力による反撃に会い、尖閣諸島の占領を維持するのは容易ではない。
中国が尖閣諸島を占拠した場合に考えられることとしては、日本の台湾支援政策は一挙に進み、対台湾武器援助、日本版台湾関係法の制定、さらには日中国交断絶と日台国交回復など、米台のみならず日台間の防衛協力が加速されるであろう。
また同時に台湾の台中警戒心を高め、台湾の軍事力増強、米国からの武器支援による台湾の防衛力強化がさらに進み、結果として中国と台湾の軍事バランスも中国側の優勢度が低くくなるであろう。
米国内では、米国議会及び国民の反発を招き、米国の軍事力の増強と米国による日台に対する防衛力増強支援を促進させることになろう。
さらに、東南アジア諸国やインド、オーストラリア、欧州各国の反発も強まり、世界的な対中包囲網が軍事・非軍事両面で強まり、中国の国際的孤立が決定的となろう。
以上の、日米の対応による軍事的リスク、日米台の反発による政治的リスクと防衛力増強の誘発、外交的孤立のリスクなどを総合的に考慮すれば、中国による尖閣諸島への侵略と占領は軍事的にはいつでも可能としても、安易に実行される可能性は低いとみられる。
③に続く
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中国による「台湾・尖閣」侵略作戦シミュレーション①
8月2日、ナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問した。それに続くかのように14日にはアメリカの議員団5名が予告なしに台湾を訪問。
21日にはインディアナ州知事が台湾を訪問し、蔡英文総統と会談した。
一連の動きに対して中国は反発。台湾周辺で数日間に渡り軍事演習を実施し、今後も継続していく模様だ。
ペロシ下院議長を初めとしてアメリカの議員たちや州知事はロシア・ウクライナ問題が終息していない不安定な状況下で、なぜ台湾訪問を強行したのか?
その意図を憶測することは今回は控えるが、彼らの行動は確実に中国の動きを活発化させると共に、台湾、尖閣の危機を早めたと言える。
これに関してはスタンフォード大学のオリアナ・スカイラー・マストロ研究員の考察が的を得ていると思われるので、紹介する。
マストロ研究員によると、元々台湾を狙っていた中国は「台湾侵攻を想定した軍事演習」を実施したかったようである。
ただ、何のきっかけもなしに軍事演習を行えば、国際社会からの非難が想定される為に、中国は行動を控えていたと、マストロ研究員は述べる。
そこへペロシ下院議長の突然の台湾訪問である。中国としてはこれを奇禍として、軍事演習を常態化することができた。
また、軍事演習の回数を重ねることにより、台湾を実際に侵攻した場合の軍事行動のブラッシュアップが可能になった。
さらに、軍事演習が常態化されることは、台湾側からすると「いつがシミュレーションか、いつが軍事演習か」の区別がつきづらくなったと言える。
以上のようにペロシらアメリカの政治家たちの訪台は、台湾の危機をより高めたのである。
では、具体的に中国はどのように台湾を侵攻するのだろうか。
以下、日本安全保障戦略研究所による「日米台連携メカニズムの構築」より抜粋・要約したものを紹介する。
侵攻のパターンとしては、実は3パターン想定されている。
①台湾のみの単独侵攻
②尖閣のみの単独侵攻
③台湾と尖閣の同時侵攻
中国による台湾侵攻になぜ日本の領土である尖閣諸島が引き合いに出されるのか?それは、中国にとって台湾侵攻に尖閣は切り離せないポイントだからである。それについてはこのシリーズの③で詳述する予定である。
ともあれ、まずは①の台湾のみの単独侵攻から解説する。
台湾のみの単独侵攻
台湾単独侵攻の場合は、東部戦区部隊を主戦力として、まずは澎湖列島を奪取し、それを侵攻基盤として主に台湾西及び南西方向から戦力を投入して、台湾を孤立させつつ、在日・在韓米軍の介入前に台湾を早期に屈服させ占領することを目的に行われるとみられる。
ただし問題点がいくつかある。
台湾本島には東部戦区が主戦力となり、西南方向から侵攻し、南部戦区が南翼を掩護しつつ攻勢を行なうことになると見られている。その場合南翼の掩護の拠点となる南シナ海の西沙・南沙諸島の軍事基地群は、基地機能としては脆弱であり、かつ敵性国のベトナム、フィリピン、シンガポール、インドネシア、さらにその背後のオーストラリアとグアムの米軍基地に囲まれている為、有事には短時間で制圧されるおそれがある。
加えて、米軍にとってはグアムやオーストラリア、シンガポールの基地群を反攻作戦の基盤として利用できるので、南部戦区部隊としては都合が悪いのである。
また東部戦区部隊を台湾の高雄市正面から投入したとしても、南シナ海、フィリピン正面からの米軍の海空戦力により、攻撃を受けるため高雄市正面からの着上陸部隊への継続補給は困難になると考えられる。
南部戦区部隊としては、台湾侵攻の主戦力である東部戦区部隊を掩護する必要があるものの、原潜(SSBN)基地が所在する海南島の防衛も疎かにできない。
これらの諸要因から、南部戦区部隊の主任務は南シナ海基地群と、海南島の防衛になり台湾本島南西方向からの攻勢への参加は一部戦力に留まる可能性が高いとみられる。
一方で中国にとっては、台湾単独侵攻の場合でも、在沖縄・日本本土・韓国の米軍参加の参戦を阻止・遅延させるため、同時に先島・南西諸島の自衛隊基地及び在沖縄米軍等を制圧する必要がある。もし制圧しなければ、台湾関係法に基づき無傷の在沖縄米軍等による台湾防衛への早期の先制介入を招く可能性が高い。
以上の理由から、中国軍としては、台湾単独侵攻を企図するとしても、台湾北翼と在沖縄・在日・在韓米軍への対処を同時に行わねばならないであろう。
すなわち、台湾単独侵攻は全般態勢と戦略的合理性から見て、成立し難いのである。
②に続く
読書人口倍増計画・お勧め本3「ザ・サークル」
今回お勧めする本はエマ・ワトソン主演で映画化もされた「ザ・サークル(上下巻)」(デイヴ・エガーズ/ハヤカワ文庫)
あらすじ
【世界一と評されるインターネット企業、サークル。広々とした明るいキャンパス、信じられないほど充実した福利厚生、そして頭脳と熱意と才能をかねそなえた社員たちが次々に生み出す新技術―そこにないものはない。どんなことだって可能なのだ!サークルへの転職に成功した24歳のメイは、新生活への期待で胸をいっぱいにして働きはじめるが…。】(Amazonより)
この本は有名なディストピア小説である「1984」や「素晴らしい新世界」の前奏とも言える現在進行形のディストピア小説である。
物語の舞台となる「サークル」というIT企業は、GoogleとAppleと Facebookを足して3で割ったような大企業だ。
主人公のメイはサークルに勤める友人の推薦により、誰もが憧れるサークルへの転職に成功する。
メイの仕事自体はカスタマーセンター的な、お客さまの要望やクレームを処理し、改善するというものだが、サークル内での仕事や人間関係、アフターファイブの生活を作者は思いっきり揶揄している。
*以降、多少のネタバレあり
例えばサークルには、社内「サークル」とでもいうべき様々なコミュニティがあり、参加は強制ではない。だがメイは強制ではないことをいいことに(当たり前だが)休日にはプライベートを優先してしまう。
すると月曜日にはニコニコした顔の社員の男女が「なぜサークルに参加しないのか?」と問いただすのだ。
彼らが主張するのは「参加は強制ではないが、ソーシャル(社交的)であるのは良いことだ」として、参加しないメイを不思議そうな顔で見るのである。(ちなみにこの場面、筆者が映画版「ザ・サークル」を観ていた時、通りかかった家族が「気持ち悪い👎」と呟いた)
さらにFacebookを彷彿とさせるSNSに対して、メイは有能でソーシャルな社員であることを示す為に大量のタイムラインに「ニコマーク」と「ムカ(怒り?)マーク」をつけるのだ。
この辺までは現代でもネットに翻弄されている人達が読めば、少しだけ身につまされるエピソードかもしれない。
だが次第に物語は怪しげな方向に進んでいく。
サークルは政治家と手を組んで、Facebookのような SNSから選挙の投票ができるようにし、さらに投票率を上げる為に、そのSNSへの登録を法律で義務付けしようとするのである。
さらにメイが起こしてしまったちょっとした事件をきっかけに、「人はカメラに写ってないことをいいことに、他人に対して秘密を作ったり、時にはウソをつくのだ」として、世界のあらゆる場所にカメラを設置し、またサークルと懇意の政治家も自らを「透明化」すべく身体にカメラをつけるのである。
外部のカメラと、人間につけているカメラにより、第三者がいつでも特定の人の生活を見ることができるようになった。人は「秘密を持つことも」「嘘をつくことも」できなくなり「透明化」で素晴らしい社会になるだろうというサークルの主張を社員は両手を上げて喜ぶのである。
ちなみに小説版と映画版では細部が微妙に違っており、この記事も両方を見た筆者の記憶が混ざってしまっているかもしれない。
映画版は主演のエマ・ワトソンの可愛いイメージを壊さないように主人公のキャラクターを変えてある。とはいえ映画としての出来は良いと思う。よりディストピア感を感じたい人は小説をお勧めしたい。
この小説を筆者が勧めた理由は、この物語で描かれている世界は現代でもすでに起こりつつあることであり、人類はディストピアに片足を突っ込んでいることに気がついてほしいということである。
「自由」とはそもそも何なのか?これについて明確に答えることが出来ない限り、サークルの作る監視社会を喜ぶ側になってしまうのである。
不思議な話し・邪悪なるものを近づけてはならない
今回の話しは、自分が体験した短いエピソードを二つ紹介したいと思います。
巷では心霊スポットなどに好奇心で見に行く人もいるようです。ですが、そういう人たちは霊的なことをあまり信じていないか、半信半疑な為に本当の恐さを知らないのではと思います。
霊的なものは、「縁の法則」というものがあるので、その手の曰くつきの場所に行ったりすると地縛霊などが生きている人間に取り憑いてくることがあるのです。
ですのであまりそういう場所に好んで行くべきではないでしょう。
自分自身も自重はしているものの、「霊的な研究の為」にあえて実話心霊体験記などの本を意図的に読んではいますが、本来であればやはり「縁の法則」が働くこともあるのでほどほどにしといた方がいいと思ってはいます。
前置きは以上としますが、それを踏まえつつ一つ目のエピソードです。
もう10数年前のことです。
PS2のゲームソフト「零」をプレイしていた時のことです。
「零」というゲームは、幽霊を写影機という、幽霊を写すことができる特殊なカメラで撮影し、物語を進めていくホラーゲームです。
そのゲームは、霊の表現がかなりリアルで「バイオハザード」なんか比べ物にならない恐さです。
そのゲームをプレイし始めたのはまだ世間が起きている時間帯、つまり夜の20時頃だったのですが、ゲームに熱中するあまりいつの間にか深夜になっていたのです。
すでに家人も皆寝入っていた為に、家の中はシーンと静まり返っています。
そして夜中の1:30すぎたあたりでしょうか。さすがに深夜に「ホラーゲーム」をやるのは良くないと思い、そろそろ寝る準備をしようとしてトイレに入ったのです。
するといきなり、
ブツッ…
トイレの電気が切れました。
タイミングがタイミングだけにかなりドキッとしました。
それでも、単なる偶然だろうと無理矢理自分に思い込ませ、トイレを済ませてベッドに入ったのでした。
話しはこれだけです。
ただその後「零」のゲームソフトの開発段階で様々な怪異が起こっていたことを知り、自分もゲームをプレイしている最中に関連する零を呼び寄せてしまったかもしれません。
もし興味がある人は、下にそのエピソードが載っているサイトのリンクを貼っておきますので、自己責任で覗いてみてもいいでしょう。
二つ目のエピソードは、「実話怪談本」を読んでいた時のことです。
何という題名の本か忘れてしまったのですが(調べればわかるかも知れませんが、怖いので調べません)、その本のある話しのある箇所に「粟粒のような鳥肌が立った」とい文章があるのです。
その時自分は、鳥肌ならわかるが「粟粒のような鳥肌」とはどういうものなんだろうか?という疑問が湧いたのです。
そして何気なく自分の右腕を見てみると…
ザワ〜ザワ…
と、悪寒が走った直後、右腕にまさしく「粟粒のような鳥肌」が立ったのです。
ギョッとしつつ、「本を通じて霊を呼び寄せてしまった…」と後悔しました。
その粟粒のような鳥肌は数分で消えてしまいました。
そして、その日の夜、家族にそのことを一つのネタとして話してみようと思った自分はおもむろに、昼間起きた鳥肌のことを話し始めました。
そして「粟粒のような鳥肌ってその本の中で言っていて〜」と話しながら、ふと自分の右腕を見てみると、またもやザワザワと「粟粒のような鳥肌」が立ち始めたのです。
またもやギョッとしましたが、このことを家人に話すとおそらく「実話怪談本なんて読むな」と言われると思い、適当に話しを打ち切ったのでした。
さらに、それから数週間後のことです。長い休みを利用し、実家に帰った自分は親しかった友人の家でおしゃべりを楽しんでいました。
そして、また一つのネタとしてこのエピソードを話し始めたのです。
そしてまた「粟粒のような鳥肌が〜」の部分に話しが行き、ふと右腕を見ると、またもやザワザワッと右腕に寒気がして、あっという間に「粟粒のような鳥肌」が湧いてしまったのです。
本を読んでから数週間経ったにも関わらず、自分の右腕に三度目の「粟粒のような鳥肌」が湧いてしまいました。
あの「実話怪談本」の話しは本物だったんでしょう。たまたま自分と同通してしまった為に呼び寄せてしまったと思われます。
皆さんも心霊関係の動画や本などは、時々垣間見るくらいにしておいた方が良いと思います。
「君子、危うきに近寄らず」が賢明でしょう。