崖っぷち日本のユートピア社会学by大山昇悟

崖っぷちに立っている日本をどうしたらユートピア(理想郷)にできるか日々考え答えを探していくブログです

アルバイト体験記〜カップラーメンのカップを作る工場編

スティーブ・ジョブズの伝記の中での話しです。ジョブズがある時、学生向け(だったような気がします)の講演を依頼されます。

 

忙しいジョブズは、ゴーストライターというんでしょうか、講演の代筆をしてくれるライターに自分の講演内容をまとめてくれるようにお願いするのですが、そのライターも忙しかったのか講演会の直前になっても原稿をあげられなかったのです。

 

困ったジョブズは講演会のプロにどんな話しをすればいいのか相談します。

するとその人は、「自分自身の体験談を話せ。人は難しい講演なんてあまり聴きたくないのだ。しかし体験談ならみんな興味を持って聴いてくれるのだ」と言われました。

 

そういうものかと思ったジョブズは、当日学生を前にして「体験談を三つ話します!」という出だしで講演を始めたとのことです。

 

今回の記事は、難しい話しではなく体験談を書くつもりなので、一応前フリとしてスティーブ・ジョブズのエピソードを紹介しました。

 

また、題名にもある通り、アルバイトの体験談なので、アルバイトの何たるかがわかっている社会人には参考になるような記事ではないと思います。

 

なので、まだ一度もアルバイトを経験したことのない若い人や、色々な業界を垣間見てみたいという人向けには参考になるかもしれません。

 

そこで自分が体験したバイト(短期派遣含む)をアルバイト体験記シリーズとしていくつか書いていきたいと思います。

 

1回目の今回は、高校を卒業してフリーターだった頃のバイトです。

 

年齢は18歳の時です。自分にとっての初めてのバイトは、日本で最も有名なカップラーメンのカップを作る工場でした。

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求人に応募という形ではなく、その工場で働いていた母の知人の紹介でした。

 

生まれて初めてのバイトでしたが、まず迷ったのが「挨拶はどのような言葉ですればいいのか?」でした。なぜなら自分が選んだ勤務時間は夕方の16:00くらいから22:00くらいだったからです。

 

朝の勤務なら「おはようございます」ですが、夕方だと「こんにちは」の丁寧語なのか、「こんばんは」の丁寧語なのか、そもそも「こんにちは」と「こんばんは」に丁寧語は存在しないような気がします。

 

母にそれとなく疑問をぶつけると、朝以外でも「おはようございます」らしいのです。本当かと思いつつ勤務初日に行ってみると、みんな夕方にもかかわらず、挨拶は「おはようございます」でした。

 

まず、作業服に着替え、髪の毛を覆うネットを被った後に帽子を被ります。そしてエアシャワー室に入って埃などを除去した後に工場内に入りました。

 

工場内の工程は意外に単純でした。

カップの元となる白い発泡スチロールの粒みたいなのを大量に、直径2メートルはありそうなアルミ製?の器に機械が自動で入れていきます。

 

②無地の白いカップが成型されて、パイプを通して次々と10メートルばかり離れた場所にカップが飛ばされます。

 

③出来上がってストックされたカップを作業員が別のパイプにカップを入れると、印刷機械の方までカップが飛ばされます。

 

印刷機カップの表面が印刷されると、またカップは別のパイプを通って、そこで作業員が箱詰めします。(この箱はその後、隣の工場に運ばれてラーメンを入れて完成だと思います)

 

自分が任されたのは、③の工程でした。白いカップは結構なスピードで次々に出来上がってきます。そのカップを印刷に廻す為に別のパイプに入れる作業です。

 

作業としては非常に簡単ですが、この単純な工程には問題がひとつあったのです。

それは無地の白いカップが出来上がるスピードと印刷機で印刷するスピードが違うことです。

 

印刷するスピードが遅かった場合は、無地のカップはどんどんストックされ、場合によっては新しいダンボール箱に詰めていきます。この場合は特に問題はないのですが、印刷機が早かった場合、ストックがどんどん少なくなり、送り出すカップがゼロになると印刷機自体が止まってしまい全行程がストップしてしまうのです。

 

その印刷機のスピード調整は社員の人しかやってはいけない為に、③の工程(2箇所あり、大抵社員とバイトがひとつずつ担当していた)で送り出すカップがなくなりそうになったら、バイトは印刷機担当の社員の人に連絡して、スピードを落としてもらうようにお願いしなくてはいけないのでした。

 

③の工程を担当しているのが社員の人なら、自分で印刷機のスピードを調整してもいいのですが、バイトはいちいち印刷機担当の社員の人にお願いしないといけないことがすごく嫌でした。

 

なぜなら無地のカップが出来るのと、印刷機のスピードがぴったり合っていることは稀であり、大抵印刷機のスピードが少し早い為、カップのストックもじわじわと減っていくのです。しかも印刷機担当社員の人はちょくちょく居なくなるのです。

 

探しても広い工場の中でのことなので、探している間に無地のカップのストックがなくなり、そのままだと印刷機がストップしてしまいます。

 

バイトの日に工場に入り、「今日はカップのストックがたくさんあるから安心できる日」はいいのですが、「ストックが少なく印刷機のスピードが早い日」は憂鬱でした。

 

今にして思うと、社員の人はその辺は気を遣ってほしいと思いますが…若いバイトは無力です。

 

あと印象に残ってるエピソードとして、最後の工程である印刷済みのカップダンボール箱に詰める作業を任された時のことです。

 

何かしらの機械のトラブルでカップが流れて来ないことがあり、その間は特にやることはありません。そのような状態の時にある社員が「今はやることがないから、その辺の椅子に座ってていいよ」と言ってくれたことがありました。

 

ところがある日のこと、やることがなく椅子に座って待機していると別の社員の人がそんな自分を見て「仕事なんだから座るな。金貰ってんだぞ!」と怒られたのです。

 

バイト初体験の自分はそこで、同じ会社の社員であってもバイトに違うことを言うことがあるということを学んだのでした。

 

あとはパートの60歳前後のおばさんに、色目を使われて辟易したことが印象に残ってます。

 

メリットとしては、休憩時間中にチキンラーメンをタダで食べてもいいことでした。とは言え、休憩時間中に食べたいという気が起きない自分は1年くらい勤めて、1度くらいしか食べませんでしたが。

 

あとは、社員割引みたいので、カップラーメンを安く買えることでした。

 

デメリットは、他の工場でも言えることかも知れませんが、口下手な社員が少なくないように感じました。

 

この工場は週5日間で、時給は確か720円くらいだったような気がします。

 

この工場には約一年務めました。辞めた理由は先程述べた、「カップのストックが少ないのにもかかわらず、印刷機のスピードを上げまくる気を使わない社員」に耐えられなかったからです。

 

つまらない理由ですが…バイトが辞める理由とはそんなものです。

 

次回は、ドーナツ屋でのバイト体験を紹介する予定です。

 

ではまた

 

 

 

 

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